こんにちはメカニックの渡辺です。今回はマヴィックコスミックプロカーボンのフリーボディオーバーホールのレポートです。
マヴィックホイールは当店では取り扱いがなく購入していただくことはできませんが、メンテナンスのご相談を多くいただきますのでご紹介させていただきます。
今回別件でご入庫いただいたのですが、リアハブのガタに気が付きベアリング交換と併せてフリーボディのオーバーホールを行いました。
リアハブのラチェットシステムは、インスタントドライブ360と呼ばれるタイプですが、他メーカーのハブと比べますと水の侵入が目立ちます。
今回も外した際に内部に水滴が残っていました。オーナー様に伺うと直前にスプロケの水洗いをされたそうです。
フリーボディのハブに収まる部分が、ロヴァールやボントレガーに使われるDTSwiss社製のハブのようにラビリンス構造ではなく、非常にシンプルな構造のため水が入りやすいかと推測されます。雨の日の走行や洗車などの後に適切にグリスアップを行うことによりトラブルを防ぐことが出来ます。
水をせきとめるゴムシールのグリス切れでも水は侵入しやすくなります。取り外し優しくクリーニングします。シールのフィンを痛めてしまうためパーツクリーナーは使用しません。
フリーボディの奥にあるメインベアリングは、ひどく腐食しガタが見受けられましたので2つとも新品に交換しました。
フリーボディの内部にあるラチェットなど金属のパーツはパーツクリーナーで洗浄、ラチェットの噛み合わせ部分やスリットに汚れが残らないようにしっかりと洗浄しました。
マヴィックの専用グリスを塗布し戻していきます。
一か月に1400kmは走るオーナー様ですので、塗り残しなくしっかり塗布いたしました。
写真では多めにみえますが、2つのラチェットが重なり、はみでる余分なグリスは隙間に押し出され水の侵入や適時潤滑オイルとなり作用するようにしています。
ホイールを回しラチェット音や回転のスムーズさ、爪がしっかり噛んでいるかも確認して完了です。
インスタントドライブ360はシンプルなだけに、メンテナンスを怠ると水の侵入により腐食が起きやすい印象をうけました。
マヴィックのホイールをお使いで一度もメンテナンスをされていない方は、要注意です!
お気軽にご相談くださいね。