バイクフィッティング担当の杉浦です。今回はサドルの悩み解決について書いてみました。
まずはサドル高を見直す!
サイクルスポーツは、言うならば「長時間椅子に座って、反復運動を繰り返すスポーツ」とも言えます。
サドルの高さを含めてポジションが合ってないと、かなり辛いことになります。
例えば食卓のテーブルと椅子の座面の高さがマッチしていないと食事がしにくい感じですね。
逆に身体にマッチしたポジションであれば、怪我の防止はもちろんのこと、快適性のUPにより体力の温存とパフォーマンスのUPも期待できます! ロングライドを快適に走れるようになりたい!肩や膝の痛み等お悩みを抱えていらっしゃる方は一度バイクフィッティングを受けられてはいかがでしょうか。
サドル高が身体に及ぼす影響について
スポーツバイクをお買い上げいただいて納車する際は、乗り慣れるまで安心して乗り出していただくため、少し低めにサドル高を設定する販売店さんも多いのではないでしょうか。ただ、乗り慣れてきたら、股下サイズなどを参考に適正なサドル高に調整することをおすすめします。きっとその違いを体感出来ると思います。
スポーツバイク乗車時のバイクとの接点は5カ所。左右の掌、腰、左右の足裏です。
これら5カ所に理想的に荷重が分散するポジションとなっていれば、かなり快適に乗ることが出来ます!
これがサドル高が低いとサドル荷重の比率が大きくなるのでお尻が痛くなる原因となります。相対的にハンドル高が高い場合にも同じことになります。
サドルが低いとなぜお尻が痛くなるのか?
サドルが低かったりハンドルが高すぎるとサドルに荷重が偏ってしまうからです。図のように一般的な自転車の場合は前かごに荷物を乗せる前提で設計されているため、前後荷重バランスを保つため乗車ポジションは後荷重になっています。そうでないとハンドルが取られてしまうからです。
以下に一般的な自転車とロードバイクの違いを比較してみたいと思います。
一般的な自転車とロードバイクとではコンセプトが違うのです。子供時代に初めての自転車を買ってもらい、乗れるようになって「よく頑張ったね!」と褒めてもらったその先は誰も自転車の乗り方を教えてくれません。ロードバイクにはそのためのノウハウがあるんですよ。
サドル高の違いで疲れる部位が変わってきます。
上の図は私がバイクフィッティング時に使用する図です。ここで注目して頂きたいのがクランク下死点で関与する筋肉が腓腹筋・ヒラメ筋だというところです。通称ふくらはぎと呼ばれているところです。
例えばつま先歩きでグランド一周歩いたらふくらはぎがパンパンになることは想像がつくと思います。
つまりふくらはぎが疲れるようなら、もしかしたらサドルが高すぎるセッティングなのかもしれません。もし思い当たる方はサドルを下げることをお試しください。
よく女性の初心者から「自転車に乗ると足が太くなってしまうのですか?」とお尋ねされることがありますが、その心配には及びませんよ!
適切なサドルポジションであればそのようなことにはなりませんから。
逆に低すぎると力んだペダリングになりがちなので大腿四頭筋(太もも)が疲れやすい傾向となります。
こういったことも参考にご自分に合ったサドル高を探ってみてはいかがでしょうか。
最適なサドル高の出し方
バイクエッグには股下サイズを計測する計測器がありますが、ここではご家庭でも出来る股下サイズの測り方をご紹介します。
まず15cmほど足を開いて壁面に立ち、電話帳など厚い本などを使って壁面にマークをつけます。床からのマークまでを採寸してみてください。
この寸法から10cm引いた数値(ロードレーサーに乗り慣れていない方は11cm〜12cmくらい)で、BB中心(フロントギアの中心)からサドル上面までが同じ数値になるようにします。
一旦、この高さでご近所を走ってみて高く感じる場合は少し下げて、、、という感じで繰り返しご自分のフィーリングを頼りに試してみてください。ちょうど良い高さが見つかると思います。でも自信がない方にはアドバイスさせて頂きますよ!
サドルの取り付け角度を少し変えてみる
ロードバイクの場合、ハンドル落差のあるポジションとなることが多いので、サドル先端は少し下げた方がいいようです。
逆にすべり台状態であまり前下がりにしてしまうとズルズル前に滑ってしまって腰の位置が定まらなかったり、ハンドル荷重になって掌が痛くなってしまったり肩への負担が大きくなってしまいます。ほんの少し下げる程度がいいように思います。
サドルの取り付け前後位置を変えてみる
サドルの取り付け位置(サドルセットバック量)を前後にセッティング変更してみるのも効果があるかもしれません。乗っていてハンドルが遠く感じるようなら前に。乗車時に座る位置がいつも決まった場所にならない方もぜひ試してみてください。
そしてこうした距離感も大切なのですが、サドルの前後取り付け位置は前述したロードバイクとの5つの接点の重量バランスに影響を及ぼします。
サドルを適度に前に寄せることでクランク3時位置で体重を乗せることが出来るようになります。そうすればそれまでサドルにかかっていた荷重をペダルに分散出来るので、お尻は楽になるのです。
写真のように右足を一歩踏み出すと足裏に荷重がかかるのを体感できると思います。サドルの前後位置を適切に調整することでペダルに対する自重のかかり方が変化します。
自重をペダルに伝えて推進力に活かせば楽に走ることが出来るのです!
ロードバイクの場合、長時間乗り続けますから脚力に頼ったペダリングでは疲れてしまいます。路面状況に応じて一定のリズムとテンポで走行出来るようにギアチェンジをこまめに行なうことを是非練習してみてください。
バイクフィッターが解決のお手伝いを!
今回ご紹介した変更は複数で一度にしてしまうと、一体何が原因だったのか把握出来ません。
まずは1つずつ変化を確かめながら体感を頼りに行なうことがコツです!サドルやハンドルの位置関係は互いに相関関係にありますのであせらずお試しいただければと思います。
ただ何度やっても答えが見つからない!自分ではわからない時はバイクフィッターにご相談ください。モーションキャプチャーを活用して乗車姿勢をデジタル解析することで的確なアドバイスを得ることが出来ます。ご予約をいただければ1時間程度なら無料相談も可能です。他店購入のお客様も喜んでお受けします。
せっかく手に入れたスポーツバイクです。ぜひベストポジションを見つけて快適に楽しんでください!