ポジションのセッティング作業を行う!
今回、仕上げでこだわったのがトレックのグラベルロードCHECK POINTと同じポジションにすることでした。
私は日頃からバイクフィッティングに携わっていて、ポジションが大きくバイクの乗り味やライダーのパフォーマンスに大きな影響を及ぼすことを実感しているからです。
CHECK POINTのセッティングは、普段乗っているトレックのドマーネSLRを基準にしてあります。
ハンドルポジションは若干アップライトにハンドルスタックは1cmUP、ハンドルリーチは9mm短くなっています。サドルハイト、セットバックは共に全く同じにしてあります!
ほんの僅かにグラベル用にアップライトにしてあるのですが、こうすることで2台交互に乗り換えても違和感を感じず乗れるようにしています。
コックピットの計測作業
まずトレックのCHECK POINTとスペシャライズドのDIVERGEハンドル部分の計測作業を行います。
DIVERGEのハンドル形状はグラベル仕様のため、15mmライズアップになっているため、これも考慮に入れなければなりません。なかなか簡単にいきません!
そこで、実際にブラケットを握る位置を基準に進めることにしました。
レーザーを使用しBB垂線から水平に、このポイントまでの距離を計測します。
専用ソフトにヘッドアングル、ステム長、ステム角度を入力し、基準としたブラケット深部までのスタックリーチの差異を反映させ、コラムスペーサーとステムの種類のチョイスを行ないました!スタックリーチに関する詳細はこちらをご覧ください。
DIVERGEの調整作業に着手!
DIVERGEのハンドル高調整は、FUTURE SHOCK2.0の下側にセットするコラムスペーサーの増減で簡単に出来るようになっています。
また、よりアップライトにセッティングするために「トール ヘッドセットカバー」も付属しているのでショート アヘッドセットキャップと2種類の組み合わせで25mmの調整が出来るようになっています。
FUTURE SHOCKの取り外し作業をするだけで、コラムカットせずにハンドル高の変更が出来るのはとても優れていると思います!
計測の結果、高さを30mmダウン、ステム長を10mm伸ばす必要があったのでトレックのPRO Blendr Stemに変更することにしました。トレックとスペシャライズドのハイブリッドになりました!
FUTURE SHOCK2.0にも使えるステム内径用スペーサーも付属してくるので他社製品が使えるようになっていて助かりました!
ハンドルは、ハンドルを下げたかったため、ライズアップのないトレックのカーボンハンドル IsoCore VR-CFに交換です。こちらを選択したのは振動吸収性に優れていることと、ブラケット角度を適正化した後の測定値でハンドルリーチの差異を埋めることが出来てDEVERGEに最初から付いてくるステム70mmから大幅な変更をしなくて済むからです。
バーテープ も比較のため、CHECK POINTで使っている同じカペルミュールのものにしました。
仕上げはサドル位置合わせ!
サドル位置もハンドルと同様にドマーネSLRと同じにします。
サドルハイトは走るコースにもよりますが、知多半島はあまりゴツゴツしたガレ場はないので基本的にはロードバイクと同じサドルハイトにしています。
DIVERGE EXPERT CARBONには標準でカーボン製TERRA POSTが採用され、カーボンのレイアップの技術革新で20mmのしなりを生み出す振動吸収性の高いシートポストが標準装備されています。
ポジション合わせの重要性
サドルセットバック量の調整も完了し、寸分違わず同じポジションに仕上げることが出来ました。
ハンドルとサドルのスタックリーチは、乗車時の前後荷重バランスを決定する要因となります。
ハンドル位置の最適化は、主に首や肩、僧帽筋の疲労防止に貢献し、またハンドリング性能の良し悪しにも影響を及ぼします。ブラケット角度の微妙な調整でも実感できるほどに改善することもあります!
また、サドル位置の最適化もパフォーマンスの改善に大きく寄与します。サドルハイトはもちろんのこと、セットバック量の最適化によりペダリング動作の改善や疲労防止、そしてパフォーマンスアップを図ることも出来ます。
バイクフィッティング を受けられるご相談で「お尻が痛くてサドルが合ってないのではないか?」とご依頼を受けることが度々ありますが、サドルハイトとセットバック量の最適化でサドルを交換することなく改善することも多いのです。
ポジション変更後に感じたこと
この写真はポジション変更する前にグラベルを走りに行った時の写真ですが、この時点ではハンドル位置を最適化していなかったので、とても違和感を感じました。
どんな感じかと言うと「肩が突き上げられる感覚でとても疲労感を感じたこと」「踏足に体重がうまく乗らず踏まないと走らない!」そんな感覚でした。
アクセスするのに20kmほど舗装路で自走して行ったのですが、いつものリズムで走れず大変辛かったことを覚えています。
さあ、次回からは様々なインプレをご紹介していきたいと思います。