こんにちは。メカニックの渡辺です。
前回の続編になります。
リアディレーラーの取り付けから行っていきます。現行モデルに採用されたシャドータイプのディレーラーはボルトが外しにくくなる事が多いため、ボルトには固着防止ペースとをしっかりと塗布しトルクレンチで固定します。
フロントディレーラーは直付けタイプのため、フレームのマウント部との接触する部分にファイバーグリップを少量塗布します、無理な変速や不意に力が加わった際、フロントディレーラーがずれ動き難くするためです。シマノのマニュアルにはありませんが、経験からやるに越したことはない小技として行っています。
こちらの取り付け座金にも塗布します。取り付けボルトのスレッドには着かないように少量です。
フロントディレーラーのサポートボルトをフレームに当てる位置に金属プレートを貼り付けます。
トルクレンチを使い5〜7Nmで固定します。(画像は工具をあてがったイメージです。締める際は左手でディレーラー本体をしっかりと握った状態で締め付けています。)
次は、ブレーキです。
直付けマウントタイプの取り付けボルトにはあらかじめ緩みどめが塗られています。
ネジには腐食防止のグリスをぬります。
塗り残しがないようにニードルで奥まで塗り込みます。
5〜7Nmの指定トルクですので6Nmでしめつけます。
リアブレーキも同様に取り付けます。
固着するネジで一番多いのが、フレームに取り付けするアウター受けなどの小さなボルトです。タレにくいグリスを使い、塗り残しががないようにネジ山に塗布し固定します。
基本的な位置にSTIレバー(ブレーキレバー)を組み付けます。左右均等になるよう専用ゲージを使用します。このゲージはフォークやハンドル、ステムなどの歪みもチェックすることができます。
レバーの位置が決まったら、ワイヤーを張っていきます。DURA-ACEのワイヤーはポリマーコーティングされた最上位グレードのワイヤーです。操作フィーリングは最高です。
アウターワイヤーの切断面は中のライナーが溶けないよう少しずつフラットに削ります。
画像のようにニードルを差し込んでアウターワイヤー内部のライナーを成形し直します。
アウターワイヤーの長さは、タイトなコーナリング、転倒、輪行時などの安全マージンや手放し走行の際の直進安定性などを考慮しつつ最適な長さにカットしてワイヤリングします。
スッキリとしてかつバランスの取れた、いい感じのワイヤリングが出来ました!
今回はここまで、次回はインナーワイヤーを通し仕上げて行きます。
お楽しみに!