メカニック渡辺が手掛けるバイクのポテンシャルを引き出す新車組み立て:ホイール編

2021.08.01
メンテナンス関連

こんにちは!メカニックの渡辺です。
バイクエッグでは、バイクのポテンシャルがより発揮できるよう、1台1台丁寧に組み立てを行っています。
新車組み立て時にどのようなポイントに手をかけているか、今回はその工程を「ホイール編」と「車体編」に分けてじっくりご紹介します。
まずは「ホイール編」からご覧ください。

 

待ちに待ったバイクが届きました!!

開封する時はいつもワクワクします。

TREKは環境保護に力を入れており、リサイクル可能なボックス、梱包資材を使用しています。

 

 

箱から出したら梱包材を剥がし、まずはホイールから仕上げていきます。

 

 

 

ハブのグリス充填&玉当たり調整

工場出荷状態では、ハブのグリスは必要最低限もしくはそれに満たない状態です。

この状態からカップ&コーンタイプのハブを生かすも殺すも、手の加え方次第です。

 

 

性能バランスの良いシマノプレミアムグリスを使用しグリスアップします。

 

 

実用的な使用が多いクロスバイクでは、耐久性が重視されます。

そのため、今回は多めのグリスを充填します。

 

 

こうすることで水の侵入を防ぎ、トラブルの少ないバイクに仕上がります。

 

 

ブレーキローターに付着しないように、はみ出た分は拭き取ります。

 

 

リアハブも同様にグリスアップします。

下の写真はグリス充填のビフォーアフターです。

 

 

グリス充填後はハブレンチで玉当たり調整を行います。

こちらも工場出荷状態は念入りな調整が施されていないことが多くゴリゴリした状態ですので、シルクのような滑らかな回転に仕上げられるようにミリ単位の微調整を何度も何度も行います。

 

この作業は、私がレース活動を始めた12歳の頃から30年余り行っていますが、軸とロックナットの相性によって玉押しが予想外の動きをすることがあるので、一発で決まるときもあれば何度もやり直さないといけないときもあります。

 

 

玉当たり調整のベストな調整具合を見極めます。

片側の軸を床に押し付けた状態で、極僅かにガタが出る調整がベストとなります。

通常使用ではガタが発生しないギリギリのところで回転してくれるため、大変軽い回転に仕上げることができます。

 

 

 

タイヤの取り外し&スポーク調整

続いては、タイヤを取り外し、スポークの調整を行います。

専用振れ取り台で縦振れ取り、横振れ取り、センター出しの作業を行っていきます。

 

 

センターゲージを使用して、状態を把握します。

 

 

振れ取り台にセットし、ベストな状態に仕上げていきます。

 

 

縦振れ取り、横振れ取りの順で作業を行っていきます。

 

 

ハブのフリーボディはスチール製のためグリスを薄く塗ります。

ノーメンテナンスで乗り続けたとしても、なるべく錆びてしまうことがないように工夫しています。

 

 

ホイール編は、ここまでになります。

次回は、「車体編」をお送りしますお楽しみに!

 

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