こんにちは!メカニックの渡辺です。
バイクエッグでは、バイクのポテンシャルがより発揮できるよう、1台1台丁寧に組み立てを行っています。
新車組み立て時にどのようなポイントに手をかけているか、その工程を「ホイール編」と「車体編」に分けてじっくりご紹介します。
今回は「車体編」をご覧ください。
ヘッドパーツのグリスアップ
まずハンドルのスムーズな回転をつかさどる、ヘッドベアリングのグリスアップです。
ホイールハブ同様、箱から出しただけの状態ではグリスがほとんど塗られておりません。
ロアベアリングも同様です。
雨天時の走行が重なれば早々に腐食してしまう可能性もありますので、外側にはみ出ない適正な量のグリスを塗布します。
オープンタイプのカートリッジベアリングのため、ボールベアリングに届くように私の場合は指で充填する形で塗布します。
アルミコラムと、下玉押しにも薄くグリスを塗布します。
グリスでコーティングされた状態にしていますので、水の侵入があったとしてもアルミ素地の腐食を防ぐ効果が期待できます。
汗も腐食の原因になります。それを防ぐため、コラムアンカーとトップキャップボルトにもグリスを塗布します。
トルクレンチでハンドルとステムを組み戻します。
ワイヤリング&シフト調整
続いて、アウターワイヤーを最適な長さにカットします。
ハンドルが反転しても、負担がかからない程度に長さを決めます。
安全マージンをとりつつすっきりとしたハンドル周りに仕上げるのが腕の見せ所です。
↓下の写真は、シフトのワイヤーをカットする前です。
↓そしてシフトワイヤーのカットした後の写真です。
黄色い矢印のシフトワイヤーがスッキリしたアールを描いているのが分かりますか?
箱出しの状態がかなり長かったため、今回はシフトアウターワイヤーを7.5cmカットしました。
カットしたワイヤー末端は、グラインダーで面を出し(内部ライナーがとけないように)仕上げます。
力が逃げなくなり、シフトフィーリングが向上します。
インナーワイヤーには専用グリスを塗布しています。
リアシフト調整に入る前に、ディレーラーハンガーのアライメントチェックを行います。
若干の歪みがあったため、修正を施しました。
シフトの調整中です。
51Tのローギアの適正値で、Bテンションアジャストボルトを調整しています。
シフト調整の後は、ブレーキホースのカットです。
今回は、リアブレーキホースを6.5cmカットします。
カットしたら新品のコネクティングインサートを圧入します。
オリーブをホースにはめ、プレミアムグリスを少量塗布しレバーに接続します。
ホース接続のトルクは弱すぎるとオイル漏れを起こし、強すぎるとレバーのスレッド部を壊してしまいます。
そのため、フレアナットタイプのソケットをトルクレンチに装着し、5~7Nmで締め付けます。
今回、6.62Nmで締め付けました。
下の写真は、今回カットしたブレーキホースやワイヤーです。
上から、フロントブレーキホース(2cm)、リアブレーキホース(6.5cm)、シフトアウターワイヤー(7.5cm)です。
最終仕上げ、ブレーキのブリーディングです。
ホースカットの際に入り込むエアーをホース内から外に排出する作業です。
僅かでもエアーが入ったままではブレーキがしっかりと効かず、大変危険なためこの作業はとっても重要です。
しっかりと時間をかけてエアーを排出します。
完成です!出来上がりました。
いかがでしたか?車体編は、ここまでになります。
ホイール編も是非ご覧ください。
【メカニック渡辺が手掛けるバイクのポテンシャルを引き出す新車組み立て:ホイール編はこちら】
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バイクの価格に関係なく、ここまで手をかけて組み立てをしているお店は少ないかもしれません。
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